イライラの消しゴム

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宿題

講座を受講した方からこんなご質問をいただきました。

・・・・・・・・・
怒りではなく感情を伝えよ、とのことだったので、子供に
「試験の点数が悪かったら悔しいでしょ。勉強しようよ。」
と言ったところ
「悔しくない。」と言われてしまいました。
どうしていいかわかりません。
・・・・・・・・・

これについてはすでに勉強しろ、言うだけ無駄で、記事を書きました。
今回は、別の観点で考えてみましょう。

「悔しいでしょ。」
というのは確かに感情ですが、
「あなたは悔しいでしょ。」ということで
あなたが主語になっています。
私の感情ではありません。
感情を探すのは難しい、といつも思います。

感情を伝えるときは、「私」の感情を伝えなければなりません。
ではこう言ってみましょうか。
「試験の点数が悪かったらお父さんは悔しいよ。勉強しようよ。」

なんで人の点数でお父さんが悔しいのよ、
結局親の見栄?
と思われておしまいでしょう。
というか、お父さんの方もこんなことは言いづらいでしょう。

やっぱり、勉強しろ、言うだけ無駄なのです。
感情の伝え方は心理学、「勉強しろ、言うだけ無駄」でご紹介したのは教育経済学です。
心理学と経済学で別のアプローチですが結論が同じというところが興味深いです。

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子供をご褒美で釣っていいか(1)の続きです。

遠い将来の「自分のため」ではなく「目先の利益」の方が人間にとっては重要なので、
ご褒美をあげるのはその人間の性質を利用した方法です。

そこで
・ご褒美をあげることは効果的なのか。また、どんなご褒美の上げ方が効果的なのか。
・ご褒美をあげると勉強が楽しいという気持ちがなくなってしまうのではないか。
・ご褒美がなくなると勉強しなくなってしまうのではないか。
ということを考えていきましょう。

この問題に答えを与えたのがハーバード大学のフライヤー教授です。

(1)ご褒美をあげることは効果的なのか。また、どんなご褒美の上げ方が効果的なのか。
フライヤー教授は、
「テストで良い点をとればご褒美をあげます」
という結果にご褒美をあげるグループと
「勉強すればご褒美をあげます」
という過程にご褒美をあげるグループを用意して
両者のテストの点数を比べてみました。

皆さんはどちらが効果的だと思いますか。

結論は「勉強すればご褒美をあげます」という過程にご褒美をあげた
グループの方がテストの点数が高かったそうです。
そして「テストで良い点をとればご褒美をあげます」
という結果にご褒美をあげるグループは、
ご褒美をあげないグループとテストの点数は変わりませんでした。
この理由として、テストで良い点をとる方法を理解していない場合、
まずは勉強させること、勉強の方法を教えることが重要だとしています。

ということはもちろん、間違った漢字を延々と書き取りしているとか、
間違った計算方法でとにもかくにも1時間勉強したとかではなく
ご褒美をあげるにしてもやはり親か代わりになる人が見てあげる必要がありそうです。

(2)ご褒美をあげると勉強が楽しいという気持ちがなくなってしまうのではないか。
次に、ご褒美をあげて勉強させたグループと何もしないグループを比べてみました。
どちらも勉強が楽しいと答えた人の割合に変化はないということです。
勉強が楽しいと思う人は、ご褒美をもらおうともらわまいと楽しいと思い、
楽しくない人はご褒美をもらおうともらわまいと楽しくないと思うということでしょうか。

(3)ご褒美がなくなると勉強しなくなってしまうのではないか。
これを確かめるために、
ご褒美をあげたグループとあげないグループの1年後のテストの結果を
比較してみました。
両方のグループのテストの点は同じでした。
つまり、ご褒美をやめてしまうと勉強する人はするし、しない人はしないという
状態に戻ってしまうということです。

最後の結果が残念ですが、フライヤー教授はこういっています。

「短期的な効果が消えてしまっても長期的な効果まで消えてしまうわけではない。
例えば 幼稚園で良い教育をした人とそうでない人を比べた研究がある。
幼稚園で良い教育をした人は、学校に行ってからの試験の点数が良くなくても
大人になってからの収入が多い。
その理由は、この幼稚園では忍耐や仕事の倫理などを教えたからだ。」としています。

それでは、勉強よりも忍耐や仕事の倫理などを教えた方がいいのではないか、とか、
ご褒美を与えて勉強させることで忍耐や仕事の倫理などは教えることができたのか、とか
疑問が生じ、この点はややこじつけのような気がします。

しかし勉強しなくて困っているお子さんにはご褒美をあげてみる、というのも試してみる価値は
あるかもしれません。
ただし、過程にご褒美をあげることと、
ご褒美をあげなくなったら勉強はしなくなるということに注意してください。

参考文献
Bradley M. Allan and Roland G. Fryer, Jr.(2011)
”The Power and Pitfalls of Education Incentives"
Brookings Institution, hamilton Project


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先日書いた勉強しろ、言うだけ無駄が好評だったので、勉強に関する記事を
また書いてみましょう。

「テストでいい点を取ったら○○を買ってあげる」
「勉強したらお小遣いをあげる」
皆さんもこんな言葉をどこかで聞いたことがあるかもしれません。
このような働きかけは有効なのでしょうか。

おそらく皆さんは、「勉強するのは自分のためなんだからそんなことで釣るのは良くない」
とお考えでしょう。
ところで「自分のため」というのは何でしょうか。

「勉強することで人格が陶冶される」
ことを意味していますか。
あるいは
「学ぶことは楽しいから楽しさを知って欲しい」
と思っていますか。
それとも
「勉強しておけば物を知らずに恥をかくということがない」
ということを意味していますか。
それとも
「勉強しておけば選択肢が広がる」
のですか。
あるいは
「将来良い生活をするため」
ですか。

いずれにせよ、この「自分のため」、勉強して良かった、
あるいは勉強しなくて後悔した、というのはたいていの
場合、学校を卒業した後に感じることになります。

遠い将来には確かに効果を実感するのだけれど、
今の時点では効果を実感できないこと、よくありますよね。
例えば、禁煙した方がいいのだけれど、病気になる将来はまだずっと先なので
今は吸ってしまう、
これを食べれば太るのはわかっているが、目先の誘惑に負けて食べてしまう、
このお金を使うと来月が苦しくなるが、今の楽しみを優先したい。

人間は、将来の利益よりも現在の利益の方を大きく感じてしまう
性質があります。
子供をご褒美で釣る、というのはこの人間の性質を利用した方法なのです。

しかし、この方法についていろいろな疑問が出てきます。
・ご褒美をあげることは効果的なのか。また、どんなご褒美のあげ方が効果的なのか。
・ご褒美をあげると勉強が楽しいという気持ちがなくなってしまうのではないか。
・ご褒美がなくなると勉強しなくなってしまうのではないか。

次回、この疑問について考えていきます。


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「うちの子は宿題をしないんです。
小学校1年生なので5分でできる宿題なのですが、なかなか始めない。
やっと始めたと思ってもだらだらだらだら。」

こんなご質問がありました。
宿題はよく出るご質問で、このブログでも何回か取りあげています。
宿題をしない中学生
子供が宿題をしない、どうやってべきを書き換えるか。

ある方からこんな方法を聞きました。
「私は宿題は早くやるべき、というべきを捨てました。
宿題はやればいい。
朝やっても間に合うことに気づいたので朝やることにしました。
この方法でうまくいっています。」

考えてみるに、朝は時間に制限があるので、それがうまくいく原因かもしれません。

嶋津良智(2013)『子どもが変わる怒らない子育て』フォレスト出版にも「宿題1問を何分で解けるかゲーム感覚でやってみる」という解決方法がありました。



さて、「時間制限をつけて宿題をする」ということは、宿題をする、しない以上の深い意味があるように思います。
私たちは机に長く座っていると勉強していると思いがちです。
夏休みも「何時間勉強すること」というような計画を立てた記憶はありませんか。
しかし、目的は、宿題を仕上げること、この問題が解けるようになること、であるはずです。
そして試験になれば、短い時間で多くの問題が解ける方がいいですし、
もちろん社会に出てからも短い時間で多くの仕事ができる方がいいわけです。

私の好きなブログにChikirinの日記がありますが、こんな記事があります。
「生産性の概念の欠如」がたぶんもっとも深刻
  生産性を上げる以外に、給与を上げる方法はありません。(中略)
  生産性を上げずにポケットの中のお金を増やす方法は、「より長い時間働く」ことだけなんです。
  それでは「豊か」になれないでしょ。それじゃあ単なる「ブラック環境への道」以外のなんでもないじゃん。

「夏休みは何時間勉強する」なんて目標を立てているとブラック環境まっしぐらかもしれません。
「勉強時間を短くする方法を考えよう」と言ってみるとお子さんも喜んで方法を考えるかもしれませんよ。

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子供が宿題をしない、宿題は提出するべき、という「べき」があるが
これはどうやって書き換えればいいのか、という質問をいただき
ました。

べきは自分で信じられなくてもいいのです。とりあえず書いてみま
しょう。
・子供は元気であればいい。
・宿題はできないことがあってもいい。
・今は宿題よりも優先することがあるかもしれない。
・自分で失敗した方が、気づくことがある。
・宿題を親が言ってさせることよりも、自分で気づいてすることに意義
がある。

さて、どうでしょうか。「べき」を書き換えるとだらしなくなるのではない
のか、と思いがちですが、書き出してみてどうでしょう。必ずしもだらし
ない書き換えばかりではないですね。

信じられなくても書いてみる訓練をしてみると、意外といい書き換えに
出会うかもしれませんよ。

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