イライラの消しゴム

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子育て

講座を受講した方からこんなご質問をいただきました。

・・・・・・・・・
怒りではなく感情を伝えよ、とのことだったので、子供に
「試験の点数が悪かったら悔しいでしょ。勉強しようよ。」
と言ったところ
「悔しくない。」と言われてしまいました。
どうしていいかわかりません。
・・・・・・・・・

これについてはすでに勉強しろ、言うだけ無駄で、記事を書きました。
今回は、別の観点で考えてみましょう。

「悔しいでしょ。」
というのは確かに感情ですが、
「あなたは悔しいでしょ。」ということで
あなたが主語になっています。
私の感情ではありません。
感情を探すのは難しい、といつも思います。

感情を伝えるときは、「私」の感情を伝えなければなりません。
ではこう言ってみましょうか。
「試験の点数が悪かったらお父さんは悔しいよ。勉強しようよ。」

なんで人の点数でお父さんが悔しいのよ、
結局親の見栄?
と思われておしまいでしょう。
というか、お父さんの方もこんなことは言いづらいでしょう。

やっぱり、勉強しろ、言うだけ無駄なのです。
感情の伝え方は心理学、「勉強しろ、言うだけ無駄」でご紹介したのは教育経済学です。
心理学と経済学で別のアプローチですが結論が同じというところが興味深いです。

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こんな漫画をみつけました。

『きょうの横山家』
「息子と二人きりになった時のこと」

奥さんの入院で息子さんと二人きりになった主人公。
息子さんは
「ママとおふろはいりたいー!」
「パパとねたくないー!!」
とお母さんでなくては嫌なよう。

主人公が疲れ切り
「たのむわー・・・ パパだってホントしんどいんだわ・・・。」
と自分の気持ちを言った途端
「パパとねるわ!」
ということで主人公と寝ることになったそうです。

私も同じ経験をしています。
4歳児にも私メッセージ

ああせい、こうせいではなく自分の気持ちをいうと伝わるようです。

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横山家はもしかして西東京に住んでいるのか、と思わせる漫画がありました。
探してみてください。
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子供をご褒美で釣っていいか(1)の続きです。

遠い将来の「自分のため」ではなく「目先の利益」の方が人間にとっては重要なので、
ご褒美をあげるのはその人間の性質を利用した方法です。

そこで
・ご褒美をあげることは効果的なのか。また、どんなご褒美の上げ方が効果的なのか。
・ご褒美をあげると勉強が楽しいという気持ちがなくなってしまうのではないか。
・ご褒美がなくなると勉強しなくなってしまうのではないか。
ということを考えていきましょう。

この問題に答えを与えたのがハーバード大学のフライヤー教授です。

(1)ご褒美をあげることは効果的なのか。また、どんなご褒美の上げ方が効果的なのか。
フライヤー教授は、
「テストで良い点をとればご褒美をあげます」
という結果にご褒美をあげるグループと
「勉強すればご褒美をあげます」
という過程にご褒美をあげるグループを用意して
両者のテストの点数を比べてみました。

皆さんはどちらが効果的だと思いますか。

結論は「勉強すればご褒美をあげます」という過程にご褒美をあげた
グループの方がテストの点数が高かったそうです。
そして「テストで良い点をとればご褒美をあげます」
という結果にご褒美をあげるグループは、
ご褒美をあげないグループとテストの点数は変わりませんでした。
この理由として、テストで良い点をとる方法を理解していない場合、
まずは勉強させること、勉強の方法を教えることが重要だとしています。

ということはもちろん、間違った漢字を延々と書き取りしているとか、
間違った計算方法でとにもかくにも1時間勉強したとかではなく
ご褒美をあげるにしてもやはり親か代わりになる人が見てあげる必要がありそうです。

(2)ご褒美をあげると勉強が楽しいという気持ちがなくなってしまうのではないか。
次に、ご褒美をあげて勉強させたグループと何もしないグループを比べてみました。
どちらも勉強が楽しいと答えた人の割合に変化はないということです。
勉強が楽しいと思う人は、ご褒美をもらおうともらわまいと楽しいと思い、
楽しくない人はご褒美をもらおうともらわまいと楽しくないと思うということでしょうか。

(3)ご褒美がなくなると勉強しなくなってしまうのではないか。
これを確かめるために、
ご褒美をあげたグループとあげないグループの1年後のテストの結果を
比較してみました。
両方のグループのテストの点は同じでした。
つまり、ご褒美をやめてしまうと勉強する人はするし、しない人はしないという
状態に戻ってしまうということです。

最後の結果が残念ですが、フライヤー教授はこういっています。

「短期的な効果が消えてしまっても長期的な効果まで消えてしまうわけではない。
例えば 幼稚園で良い教育をした人とそうでない人を比べた研究がある。
幼稚園で良い教育をした人は、学校に行ってからの試験の点数が良くなくても
大人になってからの収入が多い。
その理由は、この幼稚園では忍耐や仕事の倫理などを教えたからだ。」としています。

それでは、勉強よりも忍耐や仕事の倫理などを教えた方がいいのではないか、とか、
ご褒美を与えて勉強させることで忍耐や仕事の倫理などは教えることができたのか、とか
疑問が生じ、この点はややこじつけのような気がします。

しかし勉強しなくて困っているお子さんにはご褒美をあげてみる、というのも試してみる価値は
あるかもしれません。
ただし、過程にご褒美をあげることと、
ご褒美をあげなくなったら勉強はしなくなるということに注意してください。

参考文献
Bradley M. Allan and Roland G. Fryer, Jr.(2011)
”The Power and Pitfalls of Education Incentives"
Brookings Institution, hamilton Project


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先日書いた勉強しろ、言うだけ無駄が好評だったので、勉強に関する記事を
また書いてみましょう。

「テストでいい点を取ったら○○を買ってあげる」
「勉強したらお小遣いをあげる」
皆さんもこんな言葉をどこかで聞いたことがあるかもしれません。
このような働きかけは有効なのでしょうか。

おそらく皆さんは、「勉強するのは自分のためなんだからそんなことで釣るのは良くない」
とお考えでしょう。
ところで「自分のため」というのは何でしょうか。

「勉強することで人格が陶冶される」
ことを意味していますか。
あるいは
「学ぶことは楽しいから楽しさを知って欲しい」
と思っていますか。
それとも
「勉強しておけば物を知らずに恥をかくということがない」
ということを意味していますか。
それとも
「勉強しておけば選択肢が広がる」
のですか。
あるいは
「将来良い生活をするため」
ですか。

いずれにせよ、この「自分のため」、勉強して良かった、
あるいは勉強しなくて後悔した、というのはたいていの
場合、学校を卒業した後に感じることになります。

遠い将来には確かに効果を実感するのだけれど、
今の時点では効果を実感できないこと、よくありますよね。
例えば、禁煙した方がいいのだけれど、病気になる将来はまだずっと先なので
今は吸ってしまう、
これを食べれば太るのはわかっているが、目先の誘惑に負けて食べてしまう、
このお金を使うと来月が苦しくなるが、今の楽しみを優先したい。

人間は、将来の利益よりも現在の利益の方を大きく感じてしまう
性質があります。
子供をご褒美で釣る、というのはこの人間の性質を利用した方法なのです。

しかし、この方法についていろいろな疑問が出てきます。
・ご褒美をあげることは効果的なのか。また、どんなご褒美のあげ方が効果的なのか。
・ご褒美をあげると勉強が楽しいという気持ちがなくなってしまうのではないか。
・ご褒美がなくなると勉強しなくなってしまうのではないか。

次回、この疑問について考えていきます。


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講座を受講した方からこんなご質問をいただきました。

・・・・・・・・・
怒りではなく感情を伝えよ、とのことだったので、子供に
「試験の点数が悪かったら悔しいでしょ。勉強しようよ。」
と言ったところ
「悔しくない。」と言われてしまいました。
どうしていいかわかりません。
・・・・・・・・・

感情を伝えよ、というのは以前の記事で書いたものです。
 伝わる話し方
 いつもそうだよね、何万回も言ったよね
 感情は一言で
 心を入れ替えるのは無理
 結果は受け入れられるとは限らない
 10年以上持っている本です

この怒りを伝える話し方は、自分が怒らないで話すための方法であって、
人を思い通りに動かす方法ではありません。
まず、その点に注意しましょう。

では、子供に勉強させるにはどうしたらいいでしょう。
ここでは、最新の研究結果を見てみましょう。

中室牧子(2015)『「学力」の経済学』という本があります。
学力と経済学は結びつかないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
教育経済学という経済学の一分野があります。
この本は教育経済学の成果を一般向けに優しく説明した本です。


著者は、小学校低学年の子を持つ親に対し、子供の学習について
以下のどのような方法を取っているかを尋ねました。
・勉強したか確認している
・勉強を横について見ている
・勉強する時間を決めて守らせている
・勉強するように言っている

この結果、母親が「勉強するように言っている」は男子に対してはほとんど効果がなく、
女子に対しては勉強時間を減少させていました。
効果があるのは「勉強する時間を決めて守らせている」です。

父親が「勉強するように言う」のは母親が言うよりも効果がありますが、
しかし、他の方法に比べると効果が高いものではありません。
父親の行動で効果があるのは「勉強を見ている」です。

皆さんが良く言う「勉強しなさい」というのは言うだけ無駄だということです。
恐ろしいことに逆効果ですらあります。
効果があるのは「勉強する時間を決めて守らせている」とか
「勉強を見ている」とかの手のかかる方法です。

考えてみれば当たり前です。
あなたの会社の「売り上げをあげろ」というだけで何の案も出さず仕事もしない上司、
この上司の元で売り上げが上がるとは思えません。
もし売り上げがあがったら上司の力ではなく、あなたの努力や創意工夫のお蔭です。

「勉強する時間を決めて守らせている」とか「勉強を見ている」とか、そんな
時間がないから口を出している、という方、
逆効果ですらあるという結果がでていますのでもうやめましょう。

時間がない場合は、「学校や塾、家庭教師の先生なども含む身近な人に頼っても
よいのではないか」と著者は言っています。
「口先よりも手間をかけるかお金をかけるかが大事。」というすこぶる当たり前の
結果ですが、渦中にいるときはわからないものです。

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