「たばこといったら灰皿、新聞と言ったら眼鏡も持ってくる。一を聞いて十を知る。」
子どもの頃によく聞かされた言葉です。

たばこと言ったらたばこを眺めたいわけではなく、たばこを吸うのだから灰皿も持ってくる、マッチは言わずもがな。
新聞と言ったら読むに決まっているのだから眼鏡も持ってくる、そうでなければ用が足りない。

こんなことは言われてみれば当たり前のことで、私は長い間、一を聞いて十を知るべき、というべきを持っていました。

さて、私がアメリカにいたときにこんなことがありました。
カフェテリアでスパゲッティを注文すると、店員はスパゲッティだけよそってくれて、その隣にあるミートソースはよそってくれませんでした。
一を聞いて十を知れ、というよりもソースは一種類しかなく、そもそもスパゲッティにミートソースをかけないという発想自体、私にはありませんでした。
「少しは物を考えろ」
とイライラしていましたが、しばらくたってみると、スパゲッティにミートソースをかけて食べている人ばかりではないことに気づきました。
目立つのは、豆をかけて食べている人でした。(豆というのは日本風の甘い煮豆ではなく、しょっぱく煮た豆です。)
スパゲッティの脇にミートソースがあるので、もちろん、第一の選択肢はミートソースなのですが、それ以外の食べ方をする人もいるのです。
このような社会では、スパゲッティに限らず一を聞いて十を知る、ということは成り立ちません。
むしろ、一を聞いて十を知れ、というのは「言わなくてもわかって欲しい。」という甘えですらあります。

最近、アンガーマネジメントが必要とされているのは、社会に多様性が増えたからだ、と私は思います。
上司はこうあるべき
部下はこうあるべき
夫はこうあるべき
妻はこうあるべき
お正月はこうするべき
お盆はこうするべき
会社ではこうするべき
学校ではこうするべき

以前の社会にはあった「べき」がなくなり、それぞれがそれぞれに「べき」を持つようになりました。
それぞれに「べき」が違いますからお互いイライラすることも増えます。
違いでイライラするか、違いを楽しむか。
これから社会に多様性が増えることは間違いありませんからイライラするよりも違いを楽しむ方法を身に付けたほうがよさそうです。

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